自社の説明を丁寧に書こうとすると、文章はほぼ必ず長くなります。ところが読む側からすると、長い文章は丁寧ではなく読みづらいと受け取られます。この二つは、どこかで入れ替わります。

入れ替わる境目は、情報量ではなく順番です。読む人が知りたい順に並んでいれば、短くても丁寧に感じます。逆に、書き手が言いたい順に並んでいると、どれだけ書いても不親切に感じます。

よくあるのは、前提から始める文章です。業界の背景、創業の経緯、こだわりの説明。書き手にとっては必要な順番ですが、読む人はまだ興味を持っていません。読む人が最初に知りたいのは、これは自分に関係があるかという一点です。そこに答えてから理由を書くと、文章は自然に短くなります。

同じ長さでも、長く感じるものと詳しく感じるものがあります。違いは二つです。ひとつは一文の長さで、読点でつないで三行続く文は、内容が正しくても読めません。もうひとつは抽象と具体の比です。抽象的な説明が続くと長く感じ、具体的な事実が入ると詳しく感じます。「品質にこだわっています」は抽象で、「検品を二人で行っています」は具体。後者のほうが短く、しかも内容が多いです。

例外もあります。金額が大きい、意思決定に人数が関わる、失敗したときの損失が大きい。こうしたサービスでは、読む人は長い文章を求めます。ただしその場合も、長い文章を最初に置くのではなく、短い説明を先に置き、詳細は下か別ページに預けてください。読む人が自分で深さを選べる形にするのが、いちばん丁寧です。

削るべきは事実ではなく、事実のない文です。ここを間違えると、短くなっても伝わらなくなります。

自社サイトの説明文から、抽象的な形容詞をひとつ選び、それが具体的に何をしていることなのかに書き換えてみてください。一か所だけで、文章の印象は変わります。

理路のサービス紹介文づくりでは、伺った内容から短・中・長の三つの版をお作りし、掲載先に応じて使い分けられる形でお渡ししています。