よくある質問のページを作ろうとすると、なぜか当たり障りのない質問ばかりが並んでしまう。営業時間、駐車場の有無、支払い方法。書いてはみたものの、これで役に立っているのか分からない。今回は、よくある質問に何を置くと親切かについて書きます。
実際に聞かれたことだけを載せる
よくある質問がうまく機能しないときは、たいてい、質問を想像で作っています。こういうことを聞かれそうだ、という予想から書き始めると、当たり障りのない項目に落ち着きます。
ですから、まずやることは、思い出す作業です。ここ半年ほどのメールや電話で、実際に聞かれたことを書き出します。同じことを二回以上聞かれていたら、それはもう「よくある質問」です。三つか四つ思い出せれば、十分に始められます。
想像で作った質問と、実際に聞かれた質問は、文章の温度が違います。読み手は、その違いに気づきます。
答えにくい質問ほど、載せる価値がある
実際に聞かれることのなかには、答えにくいものが混ざっています。他社より高いのはなぜか。どこまでやってもらえるのか。途中でやめたらどうなるのか。
こうした質問は、載せないでおきたくなります。けれど、聞きにくいことほど、多くの人が同じように気にしています。声に出して聞いてくるのは、そのうちのごく一部です。書いてあれば、聞かずに済みます。
よくある質問は、答えたいことを書く場所ではなく、相手が聞きにくいことを置く場所です。
答えにくい質問を正直に書いてあるページは、それだけで信頼されます。うまくかわした答えは、読めば分かります。
質問文は、お客様の言い方のままで
もうひとつ気をつけたいのが、質問文の書き方です。整えすぎると、探しているものが見つからなくなります。
たとえば、「サービスの提供範囲について」と書くより、「どこまでやってもらえますか」と書いたほうが、自分の疑問だと気づいてもらえます。質問はお客様の言葉で、答えはこちらの言葉で。この組み合わせが、いちばん読みやすいように思います。
専門用語を質問側に置かないことも大切です。その言葉を知らないから聞いている、ということが多いからです。
数は多くなくていい
質問を並べるほど親切に見えますが、二十も並んでいると、探す気がなくなります。よく聞かれる順に五つか六つ。それ以上は、下のほうに畳んでおくくらいでちょうどよいと思います。
そして、答えの最後には、それでも分からないときにどうすればよいかを一行だけ添えておきます。よくある質問は、問い合わせを減らすためのページではなく、問い合わせやすくするためのページです。
もし今あるよくある質問が想像で書かれたものなら、一度、実際に聞かれたことだけで作り直してみてください。数は減っても、読まれる回数は増えるはずです。
何を載せて何を省くかの判断は、サービスの説明全体とつながっています。理路のサービス紹介文づくりでは、聞かれやすいことの整理も含めて、一度のヒアリングから原稿にしてお渡ししています。
