同じような業種でも、紹介文を読んだときの印象は違います。片方は信頼できそうに見えて、もう片方は薄く見える。書いてある情報量はほとんど同じなのに、そうなることがあります。

薄く見える紹介文には、共通していることがあります。誰の視点で書かれているかが曖昧なのです。

事業者側の視点だけで書かれた文章は、どうしても「がんばっています」の説明になります。創業からの年数、対応できる範囲、大切にしていること。どれも事実ですが、読む人が知りたいこととは少しずれています。

読む人が知りたいのは、自分にとって何が起きるかです。頼むとどうなるのか。何が減って、何が増えるのか。この視点が一行でも入ると、印象が変わります。

もうひとつ足りていないのは、断っていることです。何でもできると書かれた紹介文は、専門性が見えません。逆に「これはやっていません」と書かれていると、やっていることの輪郭が立ちます。断ることは、機会を失う行為ではなく、伝わり方を強くする行為です。

三つ目は、数と固有名詞です。「多くのお客様に」より「これまで80社ほど」のほうが、情報として受け取れます。「幅広い業種に対応」より「製造業と士業が中心です」のほうが、読む人は自分が当てはまるか判断できます。

ここで注意したいのは、実績が少ない段階で数を無理に出す必要はないということです。数がなければ、対象を絞るほうが効きます。「はじめて依頼する方が多いです」も、十分に具体的な情報です。

薄く見えるかどうかは、文章のうまさではなく、こうした判断がされているかどうかで決まります。長く書いても、判断がなければ薄いままです。短くても、誰に向けて、何をして、何をしないかが書かれていれば、伝わります。

いまの紹介文を読み返して、「やっていないこと」が一行も書かれていなければ、そこが足しどころかもしれません。

何を書き、何を書かないか。この判断は、内側からはいちばん決めにくいところです。理路では、伺った内容から伝える軸を整理し、掲載できる形の紹介文としてお渡ししています。