事業を続けていくうちに、いまの屋号やサービス名が、やっていることと合わなくなってくることがあります。変えたほうがいい気もするし、変えると面倒な気もする。今回は、名前を変えたくなったときに、先に確かめておきたいことを書きます。
名前が合っていないのか、説明が足りないのか
まず切り分けたいのは、本当に名前の問題なのか、という点です。
「何をしている会社か分かってもらえない」と感じているとき、原因が名前にあることは、実はそれほど多くありません。名前のすぐ下に置く一行が足りていないだけ、ということがよくあります。たとえば、屋号の下に「小さな会社の言葉を整えています」と一行あるだけで、名前そのものは変えなくても伝わります。
名前は、意味を説明するものではなく、覚えてもらうためのものです。意味の説明は、そのとなりに置く言葉の役目です。
変えると、何を失うか
それでも変えたい理由があるときは、失うものを先に数えます。
たとえば、これまでに紹介してくれた人の記憶。名刺を渡した相手の手元。検索して見つけてもらえていた経路。既存のお客様が人に話すときの言い方。名前を変えると、この積み重ねが一度リセットされます。事業年数が長いほど、失うものは大きくなります。
名前を変えても、その下に置く一行が変わらなければ、印象はあまり変わりません。
逆に、始めて間もない時期であれば、失うものは少なくて済みます。迷っているなら、早いほうが痛みは小さいということです。
変えずに済ませる方法もある
屋号はそのままにして、サービスの名前だけを整える、という選び方もあります。会社の名前は看板として残し、実際に売っているものの名前を分かりやすくする形です。
この方法だと、これまでのつながりを保ったまま、説明のしにくさだけを解消できます。名前を変えるより地味ですが、効き目は近いことが多いように思います。
また、扱う内容が広がったから名前を変えたい、という場合は、名前ではなく並べ方の問題であることもあります。何を主にしている会社なのかが決まっていれば、扱う幅は名前を変えずに増やせます。
変えると決めたときの順番
変えると決めたなら、先に決めておきたいのは新しい名前ではなく、その下に置く一行のほうです。何をしている会社かを一行で書けてから、名前を考えます。逆にすると、名前だけが浮いてしまいます。
切り替えるときは、しばらく両方を併記します。旧名を消すのは、周りが新しい名前で呼び始めてからで間に合います。急に消すと、同じ会社だと気づかれないことがあります。
名前を変えたくなったときは、まず「その下に置く一行」を書いてみてください。それを書いた時点で、変えなくてよかったと気づくこともあります。
名前と、その下に置く言葉を同時に整理したいときは、外から聞く役を入れる方法もあります。理路のブランド整理診断では、何を主にしている事業なのかを一度のヒアリングで整理してお返ししています。
