全部を頼むほどの規模でもないし、かといって自分で書こうとすると進まない。文章の仕事を外に出すかどうかで迷うとき、この中途半端さがいちばん悩ましいところだと思います。今回は、自分で書く範囲と頼む範囲の分け方について書きます。

頼むと早いもの、自分のほうが早いもの

まず、仕事の種類で分けてみます。

頼むと早いのは、順番を決める作業と、言い換える作業です。何を先に書くか、どの言葉を選ぶかは、外から見たほうが判断しやすくなります。自分の事業のことは、近すぎて見えにくいからです。

反対に、自分のほうが早いのは、材料を出す作業です。実際にお客様に言われた言葉、断ったことのある依頼、よく聞かれる質問。これは、その場にいた人にしか出せません。ここを外注しようとすると、かえって時間がかかります。

材料は、自分にしかない

文章がうまくいかないとき、原因は書き方ではなく、材料の不足であることが多いように思います。材料が少ないまま整えようとすると、当たり障りのない文章になります。

ですから、頼む前にやっておくと変わるのは、この三つです。

  1. お客様に言われて印象に残っている言葉
  2. 受けない、と決めている依頼
  3. 相談の場で毎回説明していること

外に頼めるのは、整理と言い換えであって、材料そのものではありません。

この三つが手元にあると、頼んだときの仕上がりがはっきり変わります。逆にこれがないと、どれだけ腕のいい書き手でも、一般的な文章にしかなりません。

全部を任せないほうがいい理由

すべてを任せてしまうと、あとで自分が困ります。

サイトの文章は、一度作って終わりではありません。サービスが増えたとき、料金を変えたとき、少しずつ手を入れることになります。そのときに、なぜこの順番なのか、なぜこの言葉なのかを知らないと、直すたびに崩れていきます。

ですから、任せるとしても、考え方の部分は受け取っておくとよいと思います。文章そのものより、その組み立て方のほうが長く使えます。

頼むかどうかを決める前に

迷っている段階でできることもあります。まず、直したい箇所を一つに絞ってみることです。サイト全体を何とかしたい、という状態のままだと、頼む先を選ぶことも、自分で書き始めることもできません。

トップページの最初の一段落だけ、サービスの説明だけ、と絞ると、自分で書けるかどうかが見えてきます。書けそうなら書けばよく、そこで止まるなら、そこが頼むところです。

材料を出すときは、きれいにまとめようとしなくて構いません。箇条書きでも、話し言葉のままでも、思い出した順で構いません。整えるのは頼んだ先の仕事なので、こちらは思い出せるだけ出すほうが、結果としてよい形になります。

もし迷っているなら、頼むかどうかを決める前に、さきほどの三つを書き出してみてください。それだけで、自分で進められる部分がどこまでかが分かります。

材料はあるけれど順番が決まらない、という段階でしたら、外から聞く役を入れる方法もあります。理路のブランド整理診断では、一度のヒアリングでその整理をご一緒に進めています。