見積書はできたのに、送るメールの本文で手が止まる。金額だけ送るのは素っ気ない気がして、かといって長く書くと言い訳のようになる。そんなことがあります。今回は、見積もりや提案を送るときに添える、短い文章について書きます。
添え文が担っているのは、金額の説明ではない
添え文を書こうとすると、つい金額の理由を説明したくなります。なぜこの価格になるのか、どれだけ手間がかかるのか。けれど、受け取った側がその場で知りたいのは、たいてい別のことです。
知りたいのは、これは何についての見積もりなのか、どこまで含まれているのか、そしていつまでに返事をすればよいのか。この三つです。金額の妥当性は、その三つが分かったあとに考えることです。
順番が逆になっている添え文は、丁寧に書かれていても読みにくくなります。
もうひとつ覚えておきたいのは、見積もりはそのまま人に転送されることがある、という点です。受け取った方が、家族や上司に見せて相談することは珍しくありません。そのときに、やりとりの経緯を知らない人が読んでも分かる書き方になっているかどうかで、話の進み方が変わります。
三行あれば足りる
実際のところ、添え文は三行で足ります。
- 何についての見積もりか
- どこまで含まれ、何が含まれないか
- いつごろまでに返事をもらえると助かるか
この順に一行ずつ書けば、それ以上のことは書かなくても伝わります。含まれないものを書くのは気が引けるかもしれませんが、あとで「これは別料金なんですね」と言われるより、ずっと関係が保たれます。
金額が伝わらないのではなく、金額の前後にある言葉が足りていないことのほうが多いです。
迷わせない終わり方にする
添え文の最後は、「ご検討のほどよろしくお願いいたします」で終わることが多いと思います。丁寧ですが、これだけだと、相手は何をすればよいのか決めきれません。
たとえば、内容について分からないところがあれば、この見積もりのままで結構ですので返信してください、と書いておく。あるいは、条件を変えた案も出せます、と一行添えておく。相手が返しやすい形を、こちらから示しておくということです。
返事が来ない理由は、断りたいからとは限りません。何と返せばよいか分からずに置かれていることが、かなりあります。
催促に見えない、あとの一手
それでも返事がないとき、どう連絡するかも決めておくと楽になります。
期限の少し前に、「先日の見積もりの件、その後いかがでしょうか」と送るのは催促に見えます。そうではなく、送った時点で「一週間ほどしましたら、こちらから一度ご連絡します」と書いておく。そうしておけば、あとの連絡は約束を守っただけになります。
次に見積もりを送るときは、金額の説明を足す前に、この三行がそろっているかを確かめてみてください。同じ金額でも、受け取られ方が変わることがあります。
普段のやりとりで使う短い文章も、事業の言葉の一部です。理路のブランド整理診断では、何を大事にしている会社なのかを整理し、こうした場面で使える言葉としてお返ししています。
